2024年2月18日日曜日

液漏れ時計の修理

 電池が液漏れしてしまった置時計の修理の実際です。ただし、勝手に裏ブタを開けてしまいますので、メーカー修理は受けられなくなりますのでマネされる方は自己責任でお願いします。

前回の作成記事で、でんちの液漏れについてちょっと記載させていただきました。そこで今回CASIOの置時計 DQD-70J というちょっと古い電波時計が液漏れを起こしたということで、修理をします。

CASIO Wave Ceptor DQQ-70J
修理前ですが、とりあえず動作しているようです。
上から見たところ
経年劣化で筐体の色は、場所によってやや黄色味を帯びているところがあります。
裏からで、電地ボックスの蓋。中華製です。
ねじで止められているので比較的楽に修理ができると思います。ねじがなく(修理を前提としないもの)、嵌め殺し、または接着剤でくっついていると裏蓋を取るのが大変です。
錆びて曲がっている中間電極
電池ボックスの電池を抜くと、中間電極側に錆が見られます。これが電池との接触不良を起こす原因です。また、少しでも液が残っていると錆は止まりません。
錆がない供給電極側
今回の場合はこちら側の電極には不具合は無いようです。
裏蓋を開けたところ
ここからは、メーカー修理が受けられなくなりますので、自己責任となります。電極の修理のため裏蓋を開けて、内部にアクセスします。まず、今回は液漏れですから内部に液が侵入していないか確認します。今回は内部には入っていないことが確認できました。豚毛の刷毛で(樹脂製の刷毛だと静電気で壊れる可能性があります)中のほこりっを払っておきます。
錆びのあった中間電極側 特に内部には液は見られない
錆が出ていた中間電極は交換します。ここに見られる端子を起こして取り除きます。
取り外した電極と新しい電極
新しい電極と取り外した電極は細かい所で異なりますが、特に問題はありません。取り付ける前に電池ボックスをIPAをつけた綿棒で念のため掃除しておきます。
交換した新しい電極
新しい電極を、セットして動作確認します。無理やりセットしようとすると壊れてしまうので、形状を見ながら時には電極を加工しながら行います。
動作確認(電波受信中)
動作確認をして、一通り確認出来たら裏蓋のねじを締めて、元通りにして終了です。今回ははんだ付けとかはありませんでしたので比較的簡単でした。
供給電力側の電極
今回は供給電力側の電極も用意してありましたが、使用せず次回の何かの時に保存しておきます。また、先日完成した電源も電池ボックスの修理なので今回使用していません。

因みに今回のこの時計の推奨電池は、「マンガン電池」で「アルカリ電池」ではありません。「マンガン電池」の方が安いし、液漏れのリスクが少ないです。
CASIO Operation Guide DQD-70Jより






2024年2月12日月曜日

久しぶりに製作

 この頃、いろいろな小物の修理を依頼される事があります。電池式の鉛筆削り、小型の目覚まし時計、クオーツの柱時計、懐中電灯 などなど。

 だいたい、不良の原因は電池の液漏れ、電池の逆セット、接触不良が多いですね。

 使用する電池の種類は様々で単1~5、箱型の006P、最近はボタン型もあります。また、使用本数も1~4個(多いので8個)と色々で、動作確認の度に100均で調達していました。

 液漏れは電池ボックスの電極だけでなく内部にまで液が入り込んで金属部分を腐食しまくります。(電池は生ものですので使用期限内に使って、使用できていても定期的に交換することをお勧めします。)


液漏れで電極が腐食した例
このままだと腐食は止まらないので機器内部まで調べて
すべてをきれいに洗って電極の交換が必要

 
 電池の逆セットは、1本ではほとんどなく複数個の電池を使用した時にどれかの電池が逆にセットしてあることがあります。
 接触不良は、接点復活剤とか部品交換(同じ部品があれば)という対処方法がありますが、たいてい4~5年の間の誇り取りで解決します。

 ということでここからが本番。テスト用に何種類も何本も電池を用意するのが大変(めんどくさい)ので、簡単な電源が作れないか、家の中のジャンクボックスをあさってみました。30V10A(300W)の電源だと密林で6500円からありますので買った方が速いのですが、それほど使わないし、安くできればいいかも。

①電源トランス(スイッチング電源でもよかったのですが) 一次側100V、二次側13Vと22Vの結構重いもの
②可変型レギュレータ LT1083CP
③ヒューズボックスとヒューズ
④電源スイッチ、1kΩB型可変抵抗、1回路4接点スイッチ
⑤出力端子(色とりどり)
⑥使いかけの穴あき基盤
⑦ヒートシンク 他 コンデンサーや抵抗、ダイオード達

ケースを除いてほぼ部品はそろっています。電源スイッチをONですぐに出力されると不意に高電圧だったりすると壊れちゃうので出力をONーOFFする回路もつけましょう。

3端子レギュレータ、リレー、ダイオード、トランジスタ、MOS-FET、抵抗、コンデンサ、ほぼそろっています。
回路図

購入した部品は、ケース,2色の発光ダイオード位でしょうか。


こんな感じで 最低1.27V
最高18V(20Vまで出ると思ったのですが残念)
これで、Ni-Cd電池1個(1.2V)~006P2個(18V)までカバーができそうです。

よくわかりませんが、1.5Vとか3Vくらいで使用している時は差の15Vくらいはきっと熱になってしまうのでしょうか。ちょっとこの程度の放熱フィン(ヒートシンク)で大丈夫かわかりません。まあ、機器の動作確認(テスト)に使用するだけなので長時間ではないので大丈夫と思いますが、ケースがほぼ密閉になってしまうのでちょっとだけ心配です。

以上 久々にシャシー加工から制作しました。